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建築も試行錯誤の繰り返しです

投稿日:2015/3/29

もう、12年前のことになります。

「前の年にいい塗装をしてもらったけど、
塗装がプクプクと浮いてきているようだ」

なんだろう?というご相談でした。

調査の際に
小屋裏から見ると
外装材のすぐ裏に
密着して、黒い防水紙が
(アスファルトルーフィング)
施工されていました。

原因はこれだと判断して
お話して
外装材を張り替える提案をしました。

以降の写真は
改修工事の解体状態を撮影したものです。

外装材を剥がすと
黒いアスファルトルーフィングがあり
白いカビが付着していました。

このアスファルトルーフィングは
この建物の建築当時は
外装メーカーの仕様マニュアルのとおりです。

15年ほど、前からは
この仕様が変更になり
外装材に防水紙を密着させては
いけないようになっています。

外装材の裏面は
通気をよくして、
水分を解放する仕様となったためです。

外装材から雨水が入るから
防水紙を施工する仕様は
変わりませんが
防水紙の位置と
材質が変わりました。

私が住宅業界に入った時
もう、25年前ですが、
この建物のような
防水紙の位置は間違っていると
言いました。

その結果が出るには
随分と日数が掛かりました。

外壁が傷んできて
何らかの改修をするのは
10年以上たってからが多いです。

建築当時は気づかなくても
後で間違っていることが
分かることもあります。

何故、仕様が変わったのか?
現状を理解して施工しないと
失敗する可能性が高いです。

この12年前の経験から
外装材の改修
特に塗装をする場合
現状の施工を確認してから
ご提案させて頂いております。

表面の現象だけでは
なかなか、判断ができないのが
建築です。

次回は来週末に更新の予定です。